古野幸治、本城窯二人展
2015年9月4日より9月15日までブラジリア、LBVギャラリーにて古野幸治先生と本城窯の二人展示会をさせていただきました。多くの方々の支援で、無事終了いたしました。古野幸治先生は、日本でご活躍の著名な陶芸家で近年、蒼色を使った陶器を中心として作陶されており、本城窯は、日本の伝統的焼きものである焼き締め陶器をブラジル原料中心に作っている窯です。
[古野幸治作品]
古野先生の作品、工芸会の頂点である日本工芸展入賞の常連である作品、その焼き上がりはなんとも言えない魅力を備えており、サンゴ礁に囲まれた海の情景が浮かんでくる作品です。2回から3回、窯に入れ、満足行く状態になって、漸く日の目を見る作品との事です。その過程では、作品は淘汰され出来栄えの悪い作品は、陶器の墓場行き、最終的に選択されたもののみが残ると言う厳しい品質管理がなされています。それだけにどの作品も目を見張るものがあります。
[本城窯作品]
本城窯の作品は、まだ未熟で何も完成しておりません。焼き締め陶器は、本来の土の持つ自然の魅力を引き出す陶芸ですので、薪の種類、粘土の質等で大きく、その焼き上がりが変わりますので、出来上がりは何時もばらばらです。人を育てるのと同じかも知れません。その置かれた環境で出来上がりは大きく異なり、焼き上がって初めてびっくりすると言う陶器です。それだけに日々進化し、何時も新しい発見があります。
ブラジル原料の持つ魅力を引き出せ、ブラジル人に喜んでもらえる作品にできたら幸いです。そのためには、絶え間ない試行錯誤と諦めない心が必要な様です。頑張ればブラジルの原料の美を引き出せる技が構築されるかも知れません。因みにブラジルは資源に恵まれた国、特に、質の良い粘土一杯あるはず、きっと凄い粘土に出会えると信じています。何時かその様な作品を展示したいと願っています。
[展示会を終えて]
今回、日本から著名な陶芸家古野幸治先生をお招きして行った展示会ですが、色んな困難に直面いたしました。事前に送付した古野先生の作品、郵便局で止まり、折角の美しい作品、皆様に展示できず、返送されてしまいました。ちゃんと調べれば問題なく、受け取れる方法があったかも知れないのに、それも調べずに送付し、失敗したこと、少し宣伝不足で、皆様に展示会の情報が行き渡らず、皆様に日本工芸の素晴らしさをお見せできなかった事等、数え上げたらいくらでも出てきそうです。少し消化不良状態でしたが、日本の素晴らしい伝統工芸作品、一部の方にお見せすることできて嬉しく思っております。
執筆 本城正行
2015年11月