~ 一盌からピースフルネスを ~

瓶掛と鉄瓶

 瓶掛びんかけは、鉄瓶てつびんをかける火鉢、または風炉を小さくした形のものをいいます。陶製、鉄製、唐銅製などがあります。待合や盆略点前、茶箱点前などで用いられます。瓶掛の下には、小ぶりの敷板を敷いて用います。風炉の場合と同じで、鉄の瓶掛には敷瓦を、他は塗物の敷板を敷きます。

 鉄瓶は、つると注ぎ口のついた鉄製の湯沸かしをいいます。原型は手取り釜で、三つ足の釜に注ぎ口が付けられ、弦がついていました。茶道で用いる鉄瓶は、茶の湯釜と同じく、蓋は唐銅製で、弦は中が空洞になっている袋弦ふくろづるのものが一般的です。使い込まれた鉄瓶には作り手の予想を超える美しさが生まれるともいわれています。

 茶道以外で日常用いられる鉄瓶には、銅蓋の関西造の鉄瓶、南部鉄瓶などがあります。

 

鉄瓶、瓶掛(陶製)、敷板(塗物)

2020年2月