茶杓の銘[十六] 9月(春)
当地は春、しかし、日本はまだまだ日中は暑いものの、朝晩は秋の訪れを感じる月です。特に9月9日は、菊の節句とも呼ばれる、家族の無病息災や子孫繁栄、不老長寿を願い、祝いの宴を開いたことが起源の重陽の節句です。
「着せ綿」(きせわた)
菊の花は、自然には秋に咲きます。菊は優れた薬効を持つ植物として昔から知られています。9月9日の重陽の節句の前夜には、菊の花の上に真綿をかぶせ、翌日の朝に露や香りを含んだその綿で身体を拭うと、無病、長寿を保てるという古い言い伝えがあります。
9月になると「着せ綿」という練切りが和菓子屋さんの店頭に並びます。
2024年9月