和服Q&A ③
問題:下の写真は、ある結婚式の様子を撮影したものですが、
何という挙式スタイルでしょうか。
①教会式 ②神前式 ③人前式 ④仏前式
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答え: ②神前式
神前式とは、主に神社で行う結婚式です。三三九度(結婚の固めの盃)などの儀式、雅楽を始めとする、日本古来の伝統美が印象的な挙式スタイルです。新郎は紋付羽織袴を、新婦は白無垢、打ち掛けなどの衣装を着ます。
神前挙式に限らず、冠婚葬祭に着物を着る場合は、最上格の着物を選びます。
一般的に、最上格の着物の装いを礼装(第一礼装)と言い、振袖・留袖・喪服がこれに該当します。着物の格付けは着物の種類のページをご覧ください。
振袖の特徴
未婚女性の第一礼装。華麗な模様で袖丈も長いのが特徴です。花嫁衣装をはじめ、成人式や披露宴に着ることができます。
日本人としては、未婚既婚にかかわらず、ある程度の年齢(20代前半ぐらいが目安)で振袖は卒業したいところです。また、20代の既婚の女性であっても、子ども連れで親として出席する場合は、振袖以外の着物(訪問着以上、色留袖など)を着るのが無難です。舞台衣装としては、いつでも着ることができます。
留袖の特徴
既婚女性の第一礼装。黒地の着物に五つ紋を入れ、裾に模様がある祝儀用の着物です。主に、結婚式や披露宴に出席する新郎新婦の母親、仲人夫人などが着ます。
色留袖もありますが、こちらは主に、結婚式や披露宴に出席する主賓、親族の女性などが着ます。また、パーティーや茶会などにも着ることができます。
喪服の特徴
未婚既婚を問わない、喪の第一礼装。葬儀や告別式の喪主、家族、参列者は黒喪服に黒喪帯という装いが、悲しみの第一礼装となります。着物には五つ紋を入れます。
色喪服もありますが、喪主以外の参列者で、告別式以外の時に着用できます。
着物の紋について
紋とは、家系や地位、団体を表すために用いられる印です。特に、各自の苗字と共に受け継がれた、家との関係を表わすものを「家紋」といいます。衣服に紋を付ける用い方は、日本独自のものと言われ、デザインは主に雲・波・草花や文字を意匠化したものがあります。着物に付ける場合、男女により、また、地域ごとに違いがあります。
紋は「染め」と「縫い」に大別されますが、細かな技法・大きさ・デザインなど、種類は様々です。
右図は染抜きの日向紋(ひなたもん)。着物には日向五つ紋(日向紋が着物に五つ付いている意味)が最も格が高く、礼装に付けられます。着物の種類と場合によって、他の染め方があります。
家紋は基本的には家の紋を付けますが、特に家紋がわからない場合は一般紋、女性の場合は「五三の桐」を付けます。
下図のように、略礼装として色無地や小紋(江戸小紋)につける場合は、縫い紋にすると、ある程度の幅で着られることができます。
左図は、おしゃれ着用の紋。ほとんどの着物に自由に付けることができます。ワンポイントのおしゃれとして用いられ、華やかなものが多くあります。
2015年7月