和服Q&A ④
問題:トゥッカーちゃんが、着物を仕立てるために反物(たんもの)を購入しました。下の4つのうち、反物から作ることができない着物はどれでしょう。
①小紋 ②色無地 ③付け下げ ④訪問着
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答え: ④訪問着
通常の着物の模様付けは、反物の状態で行いますが、訪問着の場合、模様が切れないように生地を切り、先に仮仕立てをしてしまいます。染色や刺繍をするときは、仮仕立てを解いてから加工し、仕立てます。これを絵羽模様(えばもよう)といい、格の高い模様付けの一つになっています。
訪問着だけでなく、振袖、留袖も絵羽模様が特徴です。模様の配置によって種類が異なります。
訪問着の特徴
肩から胸、袖から裾までひと続きになった絵羽模様が大きな特徴です。婚礼(列席者や親族)、パーティー、茶会、会食など、最も幅広く活用できます。
一つ紋を付けると準礼装として着ることができますが、出席する場面の格と立場で決めるのが一般的です。
付け下げの特徴
反物から仕立て上げるのが特徴です。反物は出だしから終わりまで柄の付く場所が決まっています。基本的に縫い目に柄が行き渡らないので、一般的には訪問着よりも略式、小紋よりもよそ行きとして位置づけられます。
付け下げは、反物からはイメージしにくいかもしれません。呉服屋では、反物の柄の付く場所に合わせて、上前袖と、上前身頃(裾~胸元まで)に反物を肩からかけ、後身頃と下前袖は別に作り、全体をイメージしてもらうようです。
様々な付け下げ(上級編)
付け下げは、現代では多種多様な柄つけが存在し、特徴を一口に言うことは大変難しいです。ここではごく簡単に、他の着物の種類と比べながら紹介します。
<一般的な付け下げ> 一般的な訪問着には少ない柄付け。 |
<付け下げ訪問着> 訪問着と同様、絵羽模様です。一見、訪問着と見分けがつきにくいですが、衿と胸の柄がつながっていない場合が多いです。 |
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<一般的な小紋> 柄が繰り返しで、上下がありません。 |
<付け下げ小紋> 同じ柄の繰り返しですが、必ず上を向いています。 |
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2015年9月