和服Q&A ⑦
問題:下は帯とその帯を一枚めくった時の画像です。
①~⑥を二つにグループ分けしてみましょう。
① | ||
② | ||
③ | ||
④ | ||
⑤ | ||
⑥ |
答えはここをクリック!
答え: ① ④ ⑤ と ② ③ ⑥
①④⑤は名古屋帯、②③⑥は袋帯といいます。今回からは帯についてご紹介します。
袋帯と名古屋帯の特徴
袋帯、名古屋帯の大きな違いの一つは、袋帯は袋状になっており、名古屋帯は袋状になっていないことです。次に長さが違います。
<袋帯の場合>
長さが4m20cm前後であれば二重太鼓、3m70cm前後であれば一重太鼓用。
表 |
合わせて袋状に |
裏 |
袋状になっていても3m70cm前後しかない袋帯は京袋と呼ばれています。京袋はほぼ洒落袋帯です。 |
<名古屋帯の場合>
表地と裏地が一つになっている。3m70cm前後で一重太鼓。
表 | 裏 |
お茶席には袋帯と名古屋帯のどちらがいいですか? |
お茶席や冠婚葬祭には袋帯(二重太鼓)が無難です。 |
今度出席するお茶会はデモンストレーションを兼ねているのですが、どんな帯にしたらいいでしょうか。 |
実際の冠婚葬祭やお茶席では、地域性、お社中の先生方の考えによる場合が大きいので、周りの環境をよくお聞きし、ご自身の立場を考えて、釣り合いのとれたコーディネートを選択するといいですよ。 |
名古屋帯の種類(上級編)
名古屋帯は仕立てる前の帯の幅で見分けます。九寸名古屋帯の帯幅は、仕立てる前は九寸(約34cm前後)で、芯を張って帯の両端を中に折りこんで仕立てると、八寸(約30cm前後)の幅になります。八寸名古屋帯は基本的に洒落用が多く、九寸名古屋帯は洒落用と、礼装用に分かれます。
<九寸名古屋帯>帯の両端を中に折りこんで仕立てる
<八寸名古屋帯>生地そのままに仕立てる
織り元によって、こだわりで八寸中心に織る所や、九寸を中心に織る所があるようです。 |
トゥッカーちゃんのつぶやき(番外編)
この帯、なんだか私の故郷の南米を思い出すわ・・・。 トゥッカーちゃん |
九寸名古屋帯ですね。完全な礼装用とまでいかなくても、上品に色々な場面で活躍しそうですね! |
着物や帯などは、どうしても日本古来のものとして結び付けられがちですが、中には海外旅行が珍しかった時代に、海外へ足を運んで審美眼を養い、モノつくりにいかしていった方がいます。
時代が変わっても、決して色あせない美しさ。ごく一部の作品を、本の中から紹介させていただきます。
(以下、「工芸帯地 洛風林百選」京都書院より)
<ジャワの花 部分> |
<トルコ果花 名古屋帯> |
<王家の花 袋帯> |
<南国の星空 名古屋帯> |
単なるコピーでなく、物事をもっと深いところから感じて作品に生かされている感じがします。 |
今はグローバルな視点でモノをつくることは珍しくないですが、最後はつくる方の生き方や人柄が反映されているのかもしれませんね。 |
2016年8月