古帛紗と裂地-間道①-
間道(かんどう、かんとう)と聞いてもすぐには文様のイメージが中々湧きませんが、これは端的に言えば縞模様(縦縞、横縞、格子縞があります)の裂地です。間道がなぜ縞模様のことを指すのか、その由来は定かではありませんが、一説には名物裂となった縞織物が、中国の広東地方を中心に織られていたためと言われています。漢字の書き方には間道の他、広東・漢東・漢島・漢渡などの字が当てられています。
また千利休は唐物茶入の仕服に間道を用いていたと伝えられています。これまで紹介してきた緞子や金襴のような豪華さは控えめな分、渋味や目を引く派手さがあり、ときに遊び心を感じられる裂地です。
吉野間道
江戸時代の京都の豪商、灰屋紹益が寛永の三大名妓と言われた吉野太夫に送った裂地が由来とされています。濃緑色の地に、白または赤茶の太縞、その両端に同じく白または赤茶の細縞を囲っていて、浮織縞を横に打ち込んであります。
望月間道
望月間道には縞柄が異なる数種類の裂があります。由来ははっきりとしておらず、織部流の茶人・望月宗竹愛用の裂とも、望月茶壷に用いられたとも言われています。無地、小格子、細い縦縞、横縞が組み合わさっていることにより、シンプルな中にも色彩の派手さや柄の深みを感じられます。
青木間道
この裂地には類似のものが多く、高木間道・伊藤間道・弥兵衛間道との判別が難しいが、青木間道は茶、黄、紺、白の縦縞が均等に入っています。名称の由来は、豊臣秀吉の家臣・青木法印重直所持のものとも、同じく家臣・青木紀伊守一矩のものとも伝えられています。
2018年2月