古帛紗と裂地-間道②-
利休間道
白色と紺色で細かな千鳥格子柄を織り出しており、経糸・緯糸共に木綿糸を用いています。よく似た柄の裂地に紹鴎間道がありますが、こちらは絹糸を用いています。侘び、寂びを目指した利休らしい、控えめで素朴な裂地です。大名物「松屋肩衝茶入」の仕覆としても用いられました。
弥兵衛間道
緋色の縦縞と共に黄色、白色、紺色などの縦縞を配し、うっすらと白色の横縞を通して格子柄にした変化に富み鮮やかな裂地です。宋へ渡って織りの技術を学んだ後、博多で間道類を織り出した弥兵衛が名称の由来と言われていますが、詳細は不明です。
薩摩間道、薩摩宮内間道
赤色、朱色、藍色、茶色、青緑色などの大小異なる縞模様を配しており、縞の中に幾何学文様や唐草文が織り出されています。縞や文様の組み合わせには数種類あり、梅花文を配したものもあります。先述の利休間道とは対照的に、間道の中でも最も豪奢な柄の一つです。
2018年4月