~ 一盌からピースフルネスを ~

もったいないの日本文化 ~ 自然の素材・竹 Ⅱ

 今回は竹の工芸品として、茶道で使われる、「茶筅、柄杓、茶杓、蓋置」や、「建築用材」を紹介します。
 茶道のもてなしの心から〔わび、さび〕といった精神が生まれました。茶道の主人(亭主)のもてなしの精神、客の礼儀作法、数寄屋とよばれる茶室の建築様式、器や掛軸、茶花などに込められた〔わび・さび〕の美意識は、日本独特の文化として、今日まで伝えられています。

 

〈茶筅〉
 茶道で、茶を点てる時になくてはならない道具です。茶筅は直径2.5センチ余りで、長さ12センチ前後の、節のついた竹筒の一端を、持ち手として、もう一端の竹の部分を、細く割りさいて「穂」としたものです。この「穂」の一端は、1ミリにもみたない細さです。淡竹はちくで、作られています。軽く、弾力性がある、強くて折れにくいなどの特長が生かされています。

 

〈柄杓〉
 かっては、どの家の台所にもありました。
 茶道で使われる柄杓は、「茶柄杓」という小ぶりのものです。
 湯水を、くむ役割をします。
 真竹で作られ、ごうからなっています。

 

〈茶杓〉
 茶席で、茶を掬う為に使われます。茶筅、柄杓は、新しいものが良いとされていますが、この茶杓は、古いものが珍重され、利休、秀吉時代、安土桃山時代の茶杓もあります。節の位置、様々な曲げ方、削り方等、天然素材ならではの特長を、生かし作られています。名品として高い価値を与えられることも少なくありません。

 

〈竹の蓋置〉
 柄杓を引く時、のせる道具で寸法は約5.4センチ位です。
 青竹で作ります。この蓋置は、本来台子皆具(材質唐銅)のものでしたが、わび茶が始まった16世紀後半の頃に。この竹の蓋置が考案されました。


茶筅

柄杓

茶杓

竹の蓋置

 

〈建築用材〉
 竹は成長が早く手に入りやすく、加工もしやすいので、工芸品として利用されますが、その他に建築用材として、天井裏、土壁の下地、垣根、窓や出入り口の枠組みにも、たくさん使われています。

2017年5月