もったいないの日本文化 ~ 自然の素材 Ⅴ 和紙(二)
前回に引き続き、「和紙」をテーマにその用途について紹介します。
【和紙の様々な用途】
障子 襖
日本の家屋には、代表的な明かり障子といわれる区切りがあります。この障子紙は、和紙で作られており、採光に役立つように出来ています。襖は襖障子ともいわれました。
ついたて〔風炉先屏風〕
ついたては、室内や玄関に立ててしきりとする家具です。茶道の場合、「風炉先屏風というものを使います。これは風炉・釜の傍に立てて、結界の役割をします。
和本〔双紙 一筆箋〕
平安時代中期には、和紙が日常的に使われるようになり、物語や日記や和歌等が草紙にかかれるようになりました。一筆箋は、柔らかい上質の紙ででき数行の和紙の便箋のことです。
懐紙
たたんで懐に入れておく紙で、和歌や連歌を書き記す料紙のことです。茶道では、お菓子を取るのに懐紙を使います。
掛軸〔表装〕
掛軸の本紙の字や絵の描いてある部分は、和紙で作られています。
半紙
書道で使用する紙のことで、縦24~26㎝、横32,5~35㎝の大きさの和紙。
大福帳 商店でお客との売り買いの明細を記録した帳面。
傘、合羽
和紙はじょうぶなものですが、柿渋、寒天、油、漆コンニャクノリなどで加工すると、更に強くなり耐水性も向上することから、和傘や、雨具などにも利用されました。
提灯
防水加工をほどこした提灯は、夜間に出歩く時必要でした。
その用途は、祭礼、儀、仏前の供物、宣伝、装飾、祝賀等です。
和紙の着物〔洋服〕
和紙を貼り合わせた着物を「紙衣」といいます。
又、和紙を細く切り、よりをかけて作った紙糸を絹糸とともに織り上げた「紙布」の着物もあります。
〔和紙の工芸品〕
- キャンドルホルダー:ろうそくを入れるスタンド。
- 照明器具:有名なノグチイサムは、和紙を使った照明器具『あかり』の作品を200種類ほど作っています。
- 椅子(ダイニングチェアー):木の皮が原料の和紙は繊維が強くて頑丈。わしを使い紙縒りのようにして組まれた座面は優しく、なじみの良い座りごこちです。
- 扇子、団扇:扇面や団扇には、和紙が使われています。
2018年2月