~ 一盌からピースフルネスを ~

20. 水

 水は、ヒト(人)を含む多くの生命体にとって不可欠な物質です。地球と同じように生命が発生・存続しているかどうかの判断はその惑星に水が存在しているかどうかが決め手となっています。人は食べ物は口にしなくても一週間は生き延びられるそうですが、水は三日摂取されないと死に至るそうです。人の体は60%の水でできていると言われています。

 茶道でも水が無ければお茶を点てることは出来ません。名水を使用したお点前名水点てなど重要なものです。

 水には硬水と軟水があります。水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量によって分けられ、ヨーロッパやアメリカ大陸、ブラジルでは硬水が多く、日本では軟水が多いとされています。フランスのエビアンは世界中で有名です。日本のあちこちに名水とうたわれる水がありますが、京都には古くからお茶などに使われた日本三大名水、佐女牛井(さめがい)の水、柳の水、三の間の水があります。中でも千利休は柳の水を愛してお茶に用いてこられたとのことです。最近では名水百選と言われ日本国中にあります。ブラジルでも飲み水としてミナスジェライスのリンドイアやサンローレンソ、またマットグロッソ州のパンタナールの水などが有名です。

『茶を煮立てる良い水として、一に山の湧水、二に川の流水、三に井戸の水としている。山の水は、湧き水や岩清水のように緩く流れているのが良く、激しく湧きたつ急流の水は飲んではいけない。川の水は、人里から離れたものを汲み、また井戸水はよく汲まれたものを選ぶ』最古の茶書といわれる唐の陸羽の著した「茶経」に書かれている。

〇 読み方
  スイ、みず

〇 意味

① みず。形状がみずに似たもの。液体。「水洗」「水銀」「香水」「水害」
   「水滴」「水道」「海水」「給水」「洪水」「噴水」「名水」「化粧水」
   「泥水」「生水」「湯水」「若水」「水色」「大水」「塩水」
② みずのある所。海・川など。「水域」「水辺」「山水」「水産」「治水」
   「水軍」「水運」「防水」
③ 五行: 木、火、土、金、水、という人間の生活に必要な5つのうち
    の一つに挙げられています。
④ 七曜の一つ。水曜。
⑤ 「水素」の略。「水爆」

〇 水という字の成り立ち

 

 

2023年9月