利休忌
2016年 利休忌訪日団 参加
来伯の玄室様に接し得し 感激胸に宗家たずねて
此の度、お家元の利休忌に参列致し、先づは最初のお席には既に台子が据えられ、大勢の方々が座って居られましたが、大玄室様が、ブラジルの人はと、最前列に招かれ坐忘斎家元様の炭点前と、濃茶が点てられました。
續いて、次々とお席廻りに誘導され、それぞれのお席の会記を見つ、季節の菓子が振舞はれ、濃茶薄茶と、續いて点心席では、暖かい物が出され、送迎バスで一度ホテルへ帰り、夜は玄室様主催の晩餐会の会場へ出向き、それぞれの席に案内され、既に素的な前菜が置かれて居り和洋の料理が、次々と運ばれ、ワインをかたむけながら、お心づくしに感謝しながら箸やフォークを運び、皆様と閑談しながら、記念の一日を終えました。
茶会終え玄室様の主催とて 心づくしに触れしディナーに
武田宗知
日本の利休忌に参加して
大宗匠様のご高齢にもかかわらず 訪伯して下さり そのお人柄に魅了され この度返礼として利休忌に参加致しました。
この度、引率者として気付いた事はグループの中には日系ブラジル人とブラジレイロと年齢は30歳から85歳と差が有り それぞれの習慣で目に付いた事は物事に対する気遣いや所作の違いがあるのに驚きました。
ブラジルの旗にはオールデン・エ・プログレッソと書いてありますが その内容は秩序と進歩という意味で、それは余り守られていません。私たちの考え方は自分の意見を言って実行致します。
この度、利休茶会に各席を回る時に草履を脱いだり、履いたりする度に数百もある草履を係りの人たちがちゃんと揃えて下さるのに驚きました。
又、何処にも塵箱が全然ないし、その上、何処も皆 膝掛や小さい手拭いを持参致し、それは日本人の習慣で、捨てる物は皆袋に入れて持ち帰ります。
又、ホテルの晩餐会に招待されるのに際して、アレルギーの人が居るのかともお気遣い下されて、いろいろと和洋の珍しい物をお席まで運んで下さり、心から感謝致しました。
私は60数年、茶道の稽古をしてきましたがこの度は予想も出来ない経験を沢山致しました。やっと 和敬清寂とかわび・さびとかの意味が解り、この経験は私だけでなくこの度の利休忌に参加した人達も体験した事と思います。
1995年の利休忌にブラジル裏千家より参加して以来 20数年が過ぎましたが、又、数年の内に日本の裏千家にブラジルより訪日致したいと思っております。
「2016年利休忌訪日団団長」
武田 アウグスタ 清美 (宗清)
利休忌に参加して
わたくしは、以前アラブ首長国連邦のアブダビで裏千家アブダビ茶道教室に在籍し、昨年6月からはブラジル出張所の伯栄庵で学ばせて頂いております。
この度、光栄なことに、宗家利休忌に淡交会ブラジル協会の皆様と参加することが叶いまして、たいへん貴重な経験をさせて頂きました。
利休忌当日、平成茶室にて千 玄室大宗匠がブラジル協会員一人一人を、握手をもって温かく迎えてくださり感銘をうけました。
千 宗室家元の炭手前、お茶湯の儀に参列、その後本席、副席、協賛席にて心尽くしの一椀を頂戴いたしました。
茶室にて、アブダビ茶道教室でたいへんお世話になりました志村宗光業躰先生にお目にかかれましたのも、懐かしく嬉しいことでした。
その夜、大変有り難いことに、大宗匠がブラジル協会員を歓迎夕食会にご招待くださいました。
ANAクラウンプラザホテル京都で開催されたこの晩餐会には、関根副理事長、白波瀬業躰先生はじめブラジル協会にご縁のある業躰先生方及び事務局の方々がご出席されました。
それぞれのテーブルでは和やかにお話もはずみ、春の京都を感じさせる季節のお料理をはじめ素晴らしい和食を堪能させて頂きました。
2016年3月28日は、忘れられない感動の一日となりました。
まだまだお茶を始めたばかりのわたくしですが、この度の利休忌での経験、そして感じたことを忘れることなく、伯栄庵でのお稽古に精進してまいりたく存じます。
利休忌参加に際しご尽力頂き、お世話になりました先生方はじめ会員の皆様に、心より感謝御礼申し上げます。
福岡 紀与
2016年6月