茶はさびて心はあつくもてなせよ 道具はいつも有合にせよ
茶の湯は質素に、華美ではなく、贅沢にならないようにせよ。これが「茶がさびて」ということです。
「心はあつくもてなせよ」とは、招いた客に、何はなくても心に満足を与えるように、不快な感じを起こさないように、誠心からもてなしをすれば、道具は無理をして買い求めた高価なものや珍器でなくとも、有り合わせ、つまりは身分相応の道具で良い、ということです。
近頃は、高価な道具や山海の珍味でもてなし、それらの自慢をしている方が多いが、有り合わせの道具でも、誠意を尽くし、工夫を凝らし、身分相応の茶事を行う心がけが大切である。その、心がけを、諭しているのである。
2016年2月