時ならず客の来らば点前をば 心は草にわざを慎しめ
「時ならず客」とは、不意の客、つまりは不意の客を表しています。
そのような客には、ご馳走を準備する時間もありませんが、とはいえぞんざいな扱いをしては失礼にあたります。そこで点前だけは、十分謹んで丁寧にして客をもてなせよ、教えているのです。
「心は草に」とは、客は、突然訪ねたことに恐縮するでしょうから、そんな気持ちを抱かせないよう、打ち解けて客に接するよう、ということでしょう。
しかし、その打ち解けた中に、点前だけは丁寧にする、ということは、とても難しいことだと思います。
2017年11月