~ 一盌からピースフルネスを ~

茶入又茶筅のかねをよくも知れ あとに残せる道具目当に

 茶入を置く位置は、茶を茶碗に入れるごとに移動しやすく、また茶筅の位も、茶筅通しや茶を点てるたびに変わりやすいものです。これは初心の人の点前中によく見うけることです。

 茶入、または棗を初めに帛紗で清めたときに、正しい位置に置き、次に茶杓を清め、茶筅を定位置に出します。さて茶筅通しをすませて、茶筅を元にもどすのですが、このときに、茶筅の位置が元の位置に少しずれたりすることがあります。

 それで、まだ動かしていない茶入を目当てに置き合わせ、茶入を取って茶を茶碗に入れ、茶入を元にもどすときは、茶筅を目当てに置けば、初めの置き合わせと同じようになります。

 点前が進むにつれて、茶入、茶筅の位置がずれてくるのは、見ばえのよいものではありません。

 **かねとは、曲尺割(かねわり)のことで、調和良く、茶道具を置き合わせる時の寸法。

 もう解っていると思って何気なくやりがちですが、心していなければなりませんね。

2018年6月