茶の湯をば心に染めて眼にかけず 耳をひそめてきくこともなし
茶の湯というのはお茶を差し上げるということです。
お客様においしく召し上がっていただくために亭主が心をこめてお茶を点てます。
いろいろと口でどうこう言うのではなく、心をもって心に伝えるという「以心伝心」、以下ともに禅語の核心をつく言葉である心から心へと直接伝えられ得る「教外別伝」真理は概念で決められるものではない「不立文字」(言葉のみでは伝えられない)ということになります。
奥義は教えようもなく、習いようもないものです。
どうしても自分で求め、自分で得なければなりません。つまり受動的ではなく、能動的に習得することが茶道の本旨です。
よって稽古の積み重ねによって心をつくっていき、お茶をおいしく差し上げます。煩わしいことは考えず切り捨てていきましょう。
亭主は客の心になり、客は亭主の心になる。
つまりお互いに相和することがお茶のすばらしさであり、和敬清寂の和になります。
2021年6月