花見
日本人は、花見によって 春の訪れを実感する国民です。
桜の木には、神様が宿り、満開の桜に触れれば、健康になれると言われてきました。桜の花粉の中のリンと硫黄を吸収すると、疲労物質が消えるという。
花見という場合は、日本人は桜を指しますが、奈良時代は花は梅をさし、平安時代からは、桜をさすようになりました。
嵯峨天皇の神泉苑で開いた観桜の宴、豊臣秀吉の醍醐の花見は、有名です。
江戸時代には、徳川家光が、奈良から上野に桜を移植させ、それから上野が桜の名所になったようです。
桜は蕾から満開まで一週間ぐらいで、散り際の美しさ、儚さは、日本人の美意識に強く訴えかけるものがあり、散り際のいさぎよさは、武士(もののふ)の心にもつながります。
3月から5月にかけて、日本全土で“桜前線”のニュースが流れ、つぼみ・咲きはじめ、五分咲き・七分咲き、満開、散り始め・葉桜と、だいたい四段階にわかれ、報道されます。
この“葉桜”は花が散って若葉の出た桜で、夏の季語です。
さくらの名所の百選、夜桜、花見露天風呂のある宿屋など、日本全国、桜の話題でで賑わいます。
推定、樹齢1000年から2000年の桜の木もあります。
桜の名所は、国宝松本城(長野)姫路城(兵庫)吉野山(奈良)三井寺(滋賀)造幣局の桜の通り抜け(大阪)新宿御苑・上野公園・目黒川沿い(東京)合戦場の枝垂桜(福島)等、枚挙にいとまがありません。
もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに知る人もなし
前大僧正行尊(さきのだいそうじょうぎょうそん)
2016年4月