箸
世界的に見て、手で食事をする民族は多い。
箸を使って食事をする民族は、多いとはいえないが、中国で生まれたいわれる箸の歴史は古い。日本の箸の歴史は、『魏志倭人伝』(三世紀末書かれた中国の歴史書)や『古事記』(八世紀に書かれた日本最古の歴史書)の中に箸が登場する。
スサノオノミコトが川上から流れてくる箸を見て人が住んでることを知り、ヤマタノオロチを、退治するきっかけになったと記されている。当時の箸は、ピンセット状になっていたようで、二本使いに変わったのは、後の時代のよう
だ。
箸の材質は、竹、杉、柳、檜、桑、南天、紫檀、黒檀、象牙、金銀、鉄、銅、アルミ、合成樹脂等色々ある。
用途により、菜箸、魚箸(まなばし)、祝宴に使う寿箸などある。
箸の使い方のマナーでは、箸から箸へ移す“箸うつし”ご飯茶碗に箸を突き立てる “仏箸” “刺し箸” “ねぶり箸” “よせ箸” “もぎ箸” などはタブーとされている。箸置きが生まれたのは江戸時代という。
最近は「マイ箸」(持ちばし)といい、環境問題を考慮した動きもある。
箸の上げ下ろし――と、言われるように箸のマナーで、育ちが分かるとまでいわれ、大切な日本文化のしぐさ、マナーである。
2017年1月