11. はちみつについて
身近な調味料の一つ、はちみつ。はちみつは、人類が初めて使用した甘味料といわれており、ギリシャ神話にも登場しますし、「はちみつの歴史は人類の歴史」という言葉があるほど世界中で親しまれています。日本での歴史も古く、日本書紀にも記述があり、平安時代には供物として扱われていたそうです。
こちらブラジルでも生産量の多い(生産量世界第10位)はちみつを取り上げます。ブラジルのはちみつは種類も多く、品質も高いと評判です。
【効能について】
はちみつは天然の栄養価が高く豊富で、美容や健康に大いに役立ちます。
五行説の五味(味の特性)「酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かん味)」では甘味に属します。
栄養分のほとんどは果糖とぶとう糖からなる糖類で、消化時に体に負担をかけずに直接エネルギーとして吸収されるので疲労回復に役立ちます。
また、はちみつにはビタミン(BおよびC)、ミネラル、アミノ酸、酵素、ポリフェノールなど150種類以上の成分がふくまれ、パーフェクトフードと呼ばれるほどです。
体を潤す作用にも優れています。「潤膚(じゅんふ)」という直接肌を潤す効能があるので、空気が乾燥する冬場は積極的に取り入れたい食材です。
潤すという作用には消化吸収力を高め、胃痛や腹痛を緩和する作用があり、食欲不振や疲れがある時にもおすすめです。
「寒性・涼性・平性・温性・熱性」の五性(食べ物の性質)ではちみつは平性にあたります。
冬以外にも初夏から梅雨の時期、もしくは中医学の概念での長夏の、蒸し暑く、体のなかに熱がこもりやすい不調を改善する作用は平性によるものです。平性は老若男女問わず食べられる食材ですが、1歳未満の乳児にはちみつを与えると中毒症状を起こすので与えてはいけません。
その他、はちみつには殺菌効果もあり、古くは皮膚病、切り傷や火傷の治療薬としても使われてきました。喉の痛みや口内炎にもよく効きます。
【食品として】
甘味料として積極的に取り入れたいはちみつ。
蜜を採取する花の種類によって香りと味が変わり、それぞれの個性を楽しめます。
主なものではみかん、アカシア、レンゲ、くりなどがありますが、ラベンダーやユーカリなどからも多く作られています。それぞれの風味を楽しむのもよいでしょう。
砂糖の代わりにはちみつを用いると栄養も摂取できるうえ、豊かな甘みがお料理や飲み物の味わいを引き立てます。
なお、はちみつに含まれるビタミン類は長時間の過熱や高温(60℃以上)に弱いので、調理に使う際は冷めてから入れる事をお勧めします。
日本では、はちみつ羊羹やきんつば、どら焼きなど、餡にはちみつを用いた和菓子も注目されているそうです。
2024年8月