7. みかんについて
世界には色々な柑橘類があり、今回はみかんについて取り上げます。
みかんは蜜のように甘い柑橘という意味になります。原産地は日本の薩摩(現在の鹿児島県)。皮はナイフを使わず手で簡単にむけることから英語圏ではTVを観ながら食べられる「TV Orange」とも呼ばれるそうです。
【効能について】
ビタミンCをたっぷり含むみかんは昔から風邪の予防に良いとされてきました。繊維質も多く、気軽に栄養が取れる食材です。
漢方の面で言うと、五行説の「寒性・涼性・平性・温性・熱性」の五性(食べ物の性質)でみかんは涼性、身体の熱を冷まし、鎮静効果があります。
また、気の巡りをよくする作用もあり、のどや胸のつかえをとりのぞきます。咳や痰の改善にも有効です。
五味(味の特性)「酸味・苦味・甘味・辛味・鹹味(かん味)」では酸味・甘味に属します。酸味は胃腸のはたらきを助け、消化吸収を促進するので、食欲のない時または膨満感に役立ちます。甘味は緊張を和らげるという作用から気持ちを落ち着かせてくれます。
美肌作りにも一役買うのも嬉しい効能の一つです。
【食品として】
生食が主なみかんですが、缶詰やジュースなどの加工品も多くあります。
~陳皮~
薬膳の点から欠かせないのが陳皮です。完熟したみかんの皮を乾燥させた陳皮。「陳」は古いという意味で、古いものほど効能が高く、10~15年物は特に重宝されます。この陳皮も胃腸の調子を整え、新陳代謝を促す効果があります。
中華料理では調味料として煮込み料理や餃子や肉団子などのひき肉料理に用いて、柑橘ならではの爽やかな風味を加えます。
日本では七味唐辛子に使用されています。
陳皮にはリラックス効果もあるので、お茶のように煎じて飲むと穏やかな眠りを促してくれます。
よく洗った皮を細切りにし、砂糖で煮て乾かし、砂糖をまぶす「みかんピール」もお茶うけに喜ばれるのではないでしょうか。
みかんの果汁を餡に練りこんだ練り切りも秋冬の茶事に相応しいでしょう。
また、すっかり市民権を得たいちご大福を筆頭に、様々なフルーツを餡と共に包むフルーツ大福が日本で人気となっています。
みかんをまるごと包んだみかん大福もとても好まれているようです。
ブラジルは冬を迎え、乾燥が気になるところです。
手軽に潤い補給できるみかんで日々の体調管理に役立てていきましょう。
2023年8月