~ 一盌からピースフルネスを ~

ご挨拶

中前隆博 在サンパウロ日本国総領事 在サンパウロ日本国総領事の中前隆博です。本年6月に着任致しました。今年は日本とブラジルの外交関係が樹立して120周年という節目の年でもあり、例年にも増して日本文化を紹介するイベントがブラジル各地で開催されています。そしてその多くで茶道が取り上げられており、日本を代表する文化の一つである茶道が広く伝えられつつあることを誇りに思います。ブラジルの各地方で茶道講座が開催されるのも、当地において、長年にわたって茶道を紹介し、定着させ、そして講師の育成につとめてこられた裏千家出張所の皆様方のご尽力の賜物であります。この場をお借りして敬意を表します。

 さて、本年リニューアルされた貴ホームページですが、茶道に始まり、着物や和食など、訪問者の興味を引く項目がコンパクトに、そしてビジュアル面にも関心を払って大変よくまとめられていると興味深く拝見いたしました。貴ホームページのご隆盛と、貴茶道裏千家ブラジルセンターの益々のご発展をここにお祈りいたします。

在サンパウロ日本国総領事
中前隆博

 


 

ブラジル日本文化福祉協会  呉屋春美 会長 茶を点て、茶を振る舞う行為である茶の湯は幅広い分野に通ずる人生の哲学と言っても過言ではありません。

 昨年、イビラプエラ公園日本館の設立60周年記念式典にご臨席されました第15代裏千家家元、現、千玄室大宗匠から大きな感銘を受け、このような思いを持つようになりました。

 現在も92歳とは思えないはつらつとした姿でお茶の点てられ、大宗匠はデモストレーションを通じ、多くの人々に日本の美意識であるわびさび文化を伝えられました。

 式典にて大宗匠はサッカーワールドカップについて触れました。ブラジル代表そして日本代表が敗れ、大変悔しいと語るなど、ユーモアを交えながらあいさつをされました。
 あいさつ中、「スポーツには勝者と敗者がいるが、文化にはどちらも存在しない」という言葉がとても印象強く残りました。私自身、茶の湯において誰でも受け入れる姿勢を誇り、かつ寛大な心を持つ大宗匠を深く尊敬致します。

 「茶の湯」という芸術には空と大地、そして私達を包み込む全ての空気に対する感謝の気持ちが一体となっております。大宗匠が長生きの秘訣であるお茶を飲み続けられ、再び60年前のように日本館でお茶を点てている姿に会えることを願ってやみません。

 私共、ブラジル日本文化福祉協会は創立60周年を迎えておりますが、今日までブラジルにおける日本文化の継承および普及活動という使命を果たしてきました。

 同時に日本文化である茶の湯をブラジルに深く根付かせてこられました、茶道裏千家ブラジルセンターに対し大きな敬意を表し、茶の湯の心得が凝縮されているこのサイトが、一人でも多くの人生の学ぶ源となることを心より願っております。 

ブラジル日本文化福祉協会
会長 呉屋春美

2015年11月