うぐいす餅
まだ寒さの残る早春、梅が咲き始める頃にウグイスが鳴きだします。春告げ鳥とも呼ばれるこの鳥にちなんだ「うぐいす餅」は、求肥で餡子を包んで楕円形にしたものの両端を少し摘まみ、うぐいす粉(青大豆から作るきな粉)をまぶして作られます。これはウグイスの形や色を表しており、最近ではよもぎなどを混ぜて緑色にした餅を使ったり、仕上げに普通のきな粉を使ったりしているものもあり、形も様々です。
もともとは、豊臣秀長が、兄の豊臣秀吉を招く茶会のために和菓子を作らせ、それを秀吉がたいそう気に入って「鶯餅」と命名したのがはじまりだとか。
うぐいす粉はふわっと香ばしく、柔らかな求肥は口の中でほどけ、餡子と溶けあいます。その淡い緑色は若葉をも思わせ、春の訪れを感じる季節の和菓子です。
2018年2月