~ 一盌からピースフルネスを ~

6. おいしいコツあれこれ <のりの焼き方、かつおやあじの薬味>

 今回は焼き方一つでグーンと美味しいのりの焼き方と薬味について取り上げます。

 

のりの焼き方

 のりは「焼きのり」と表示のある物と2つに折ってある物がありますが2つに折って売られている物は外側が表、内側が裏に折っています。別の見分け方として光沢のある方が表で、ざらついている方が裏です。

太巻き寿司 のりは使う前にあぶって、香りと色を引き立たせる。焼き網の上を滑らせてあぶるが、このとき裏どうしを合わせて2枚ずつあぶる。1枚ずつあぶると水分が急激に蒸発するため、すぐに焦げたりもろく崩れたりと失敗が多くなる。また、つるっとした表を外側にして合わせておくと、網の上をすべらせやすい。
 ところで、太巻き寿司に使うのりはあぶらない。太巻き寿司は、のりと寿司飯の具が互いになじじんだところがおいしく、巻いてしばらく置いてから食べるくらいなので、のりをあぶる必要はないわけである。

 

かつおやあじの薬味にはわさびではなくしょうががあう

 刺身や寿司の薬味といえば、主にわさびとしょうがである。この2つの使い分けは一見習慣的に行われているように見えるが、実は、くせが強く生臭みやにおいの強い材料にしょうがを用いる。これは、わさびとしょうがの作用の違いによる。
 わさびはピリッとした辛みの強い刺激で瞬間的に味覚と嗅覚をまひさせ、それによって生臭みを感じさせないという働きがある。生臭みそのものを消しているのではない。だからわさびがきいていないと、生臭く感じてしまう。
 それに対してしょうがは生臭みそのものを消す作用がある。だからかつおやあじおようにわさびで刺激した程度では味薬や収穫をごまかせないほどくせの強いものには、しょうがを用いるのである。ねぎにもしょうがと同じ作用があり、ねぎとしょうがが一緒にもちいられるのはそのためである。
 また、かつおやまぐろなどの赤身の魚は血の気が多く、肉に近い風味がある。これらにはからしも合い、刺身をからし醤油で食べても結構いける。

 

2016年4月